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アイスマーク-赤き女王の剣 [読書メモ]

北の国・アイスマークは、南の大国・ポリポントゥス帝国からの侵攻を受け始めた。
王であり戦士であるシリンの父は、国境を守る諸戦で命を落とす。
父王の死と引き換えの時間で、シリンは国民を北に疎開させ,
父を失った娘としての顔を見せることもままならぬまま,
更に北の国々に同盟を求める過酷な旅に出る。
真っ直ぐな若き女王の誇り高さに,
かつては血に血を塗った国々は同盟したが、
残酷でしたたかな将軍に率いられた、圧倒的数と経験,
武器を有する帝国軍から北の連合はアイスマークを守る事はできるのか…!

生まれながら,戦士で王となる誇りを持つ少女の気概に惚れ込み、
友情と誠意を示す獣の王たち。メンタリティが少し違うけど、真摯な森の王たち。
ひねくれていても約束を守ったヴァンパイアの王たち。
彼らは若い故の真剣で、裏のない女王に動かされますが、
私はやはり、ウェアウルフの王グリシュマクが好き♪
ユキヒョウ族のサラマン・サールのかっこよさが、物語の後半を飾っていますが、
グリシュマクの存在があったからこそ、シリンの行動は、無謀でなくなり、
実を結んだのです。ビバ!狼男♪

十分楽しめる作品なのだから、歴史上の人物名を使わなくたって
よかったんじゃないかな?と思ったのは私だけかしら
次の物語は二十年後,今回の話に出てきた人物がメインとなって展開するとか。
ありきたりかもしれないけど、経験を積み、パワーアップした
「女神に愛された」オスカン・ザ・ウォーロックの話だといいな♪
いつまでもシリンにやられっぱなしではなくな…らないだろうな~
女の子のしたたかさにはまるで敵わない彼がいいや

王様からして文盲な、猛々しい王家の、
気ぐらいの高いシリンの一人称を゛あたし゛ではなく゛わたし゛とした所に
訳者のセンスの良さを感じました。
バーティミアスの時もですが、金原さんは人物の一人称の使い方がうまいと思います。

著者:スチュアート・ヒル
訳者:金原 瑞人・中村 浩美

アイスマーク―赤き王女の剣

アイスマーク―赤き王女の剣

  • 作者: スチュアート・ヒル
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本


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