狐笛のかなた [読書メモ]
舞台は日本のどこか、お侍と呪者がいる時代。
隠され、閉じ込められた少年・小春丸
<聞く耳>を持ち、強力な呪者の血を引く少女・小夜
カミガミの世界と、こっちの世界のはざまに生まれながら
呪者の使い魔にされた霊狐・野火
幼い頃に出会った3人は
三者三様の運命がからみあいながらも必死に生きる
<守り人>シリーズが、オールカラーの活劇なら
この作品は、緑濃い、草が茂る、昔から日本人が住んでいた里の色
というイメージが残りました。
実際、作者は、「私は日本で生まれ育ちましたから、
その風景は日本の野山の匂いに満ちているのです」
「私の心の底にある<なつかしい場所>なのです」
と述べています。
その全体の表現は、とても完成度が高く思いました。
構想から長い時間をかけて仕上げられた作品はやはりよかったです。
派手さはありませんが、絶対お勧めの1作品だと思います。
著者:上橋 菜穂子
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