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後だし ツミ日記・8 [鳥見]

仕事と、急に暑くなり、二日間、公園に行けなかった7月2日の午後。
夫と公園に行く。
妙な静けさに、嫌な予感が走る。
気配が全くないのだ。
そっと巣を覗く…
考えたくないが、やはり静か過ぎる…
雛が育って、二親揃って狩に出るには早過ぎるはず。
心臓がドキドキするのを感じながら、いつもの展望台のベンチで待つ。
オナガの声も遠く小さい。
ヒヨもシジュウカラも来ない。
この場に近寄るのを避けている様な雰囲気が続く。

30分程した時、唐突に静けさが破られた。
四羽のハシブトガラスが、大声を上げながら、なんの躊躇いもなく…と言うより、
当然の様に、ツミの巣のある松の木の、まさにその場所に一直線に飛び込み、
勝ち誇った声を改めて上げた。
その様子はまるで、敵の王宮を陥落させた兵士が、
栄華を誇っていた館を、粗野に荒らしながら笑っている様だった。
あぁ、この一団にやられてしまったんだ…
野生の摂理とわかっていても、どっぷり落ち込んだ。
思えば、ここのお父さんは、ひたすら餌を運んでいた。
一生懸命一生懸命に。(その餌は、主に他の鳥の大切な雛なんだが…)
大事な卵が雛になるのを、ハシブトガラスの一団は、待っていたんだ。
やはり、示威行動は必要だったんだ。
いつも家族をお腹一杯にしてあげたい…
そんなお父さんの気持ちが、裏目に出てしまったのを思うと切ない
観察者が私一人というのは、こういう時、目撃者がいなくて確証がないが
このハシブトたちの態度を見れば、確信できてしまう・・・
tumiM4S.jpg
受け渡しの木から、巣を見守っていた6月27日のお父さん
1枚だけ、ロングの構図で撮っていた
もっともっと、この家族の成長を見ていたかった・・・


それからも、折々、公園を覗いているが、
あれからツミの姿はない。
親は逃れたのだろうか?

お父さんが、穏やかな目で巣を見守っていたネムの木に、
ピンクの花が咲いて、そして散っていった
tumiM1S.jpg

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vivian

ツミ一家の悲しい結末、こちらまで、ガッカリしてしまいました。
自然界の掟とは言え、他の物ではダメだったの?どうしてもツミの雛が良かったの?って言いたくなります。
巣立ち間際まで待っていたんですね。
ツミって、結構弱いですよね。まみさん同様、凹んでしまいます。

でも、久しぶりのひなちゃんに会えて、嬉しい。
相変わらずなんて、美系なのでしょう。
それにひなちゃん人形。そっくり、だと思いました。お上手~♪
by vivian (2011-07-26 16:17) 

mica

あぁぁぁ。。。(T_T)

せっかく、まみさんの一声で、
素のある木と周辺伐採も免れたというのに。。。
それで運を使い果たしたのか?

残念です。
それが自然の摂理と分かっていても、
やはり残念です。
by mica (2011-07-26 21:06) 

まみ

セイミーさん、きんたさん、yu-papaさん、ほりけんさん、あんぱんち~さん
見て頂きありがとうございました。nice!に感謝です

vivianさん、昨年、そちらで観察されていたツミはオオタカにやられてしまったそうですね。
私も、摂理と分かっていたつもりでも、どっぷり落ち込みました;
卵よりも食べでがあって、幼く柔らかい時を狙ったのかと思うと
ハシブトの忍耐力と考え深さには脱帽・・・T_T
スズメみたいな小さい鷹でツミ、あの細いあんよはいかにも儚い感じです
 ぷぷぷ、緊張感0での寝顔、褒めて(?)頂き感激です♪

micaしゃん、松の木は、今回の剪定伐採対象エリアではなかったみたい
伐採された跡地には、”東北を応援するひまわり”という札が立って
種が植えられたみたいです。
もともと後だしにするつもりで書いていた日記が、予定より早く出す事になって
しまったのも、がっくり感をあおりました;
しばらくパソコン開く気力もなくなる程、へこむとは思いませんでした
by まみ (2011-07-27 08:50) 

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